후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
偶然このカッフェーで邂逅しても、互に黙契する処があるらしく秘密を守り合っているくらいなので、何を言ってもまた言われても互に気を悪くするはずはないと、平気な顔で、折からテーブルを叩くらしい音がするのを聞きつけ、自分が持番の客ではないかと、音する方へ目を注ぐ。丁度その途端、階段から上って来る新しい客の洋服姿が向の壁の鏡に映ったのを早くも認めて、「アラ清岡先生よ。」と瑠璃子は小声で一同に知らせた。
「先生。くしゃみが出なかって。」と君江とは仲の好い春代が逸早く駈寄って、「あっちのボックスがいいわよ。」と洋服の袖に縋り、人目につかない隅のボックスへ連れて行った。これは君江を張りに来る自動車屋の矢田さんが、まだ帰らずにいるので、万一の事を用心した春代の心づかいである。
「歩いて来るともう暑い。黒ビールか何か貰おうよ。」と清岡進は抱えていた新刊雑誌と新聞紙とをテーブルの下の揚板に押入れ、新しい鼠色の中折帽をぬいで造花の枝にかけた。紺地二重ボタンの背広に蝶結のネキタイ。年の頃は三十五、六。鼻先と頤のとがっているのが目に立つので、色の白い眼の大きい頬のこけた顔立は一層神経質らしく見えるのに、長く舒ばした髪をわざと無造作に後に掻き上げている様子。