일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면

아오조라 문고

君江の眼にはいよいよ初めての夜の事が浮んで来る。

「お風呂はいつでもわいておりますから。」と女中は出て行く。

「君さん。何を考えているんだ。お着かえよ。」と矢田は心配そうに横顔を覗き込んで君江の手を取った。

君江は羽織をきたまま坐ったなりで、帯揚と帯留とをとり、懐中物を一ツ一ツ畳の上に抜き出しながら、矢田の顔を見てにっこりした。君江は三年前、家を飛出して、学校友達で人の妾になっていた京子の許に身を寄せ、その旦那の世話で保険会社の女事務員になって、僅一、二カ月たつかたたぬ中、早くも課長に誘惑されて大森の待合に連れられて行った。これが実際男と戯れた初めであったが、君江はその前から京子が旦那の目をかすめていろいろな男を妾宅へ引入れるさまを目撃していたのみならず、折々は京子とその旦那との三人一ツ座敷へ寝たことさえある位で、言わば待合か芸者家の娘も同様、早くから何事をも承知しぬいていただけ、時にはなお更甚しく好奇心に駆られる矢先。課長の誘惑をよい事にしてこれに応じたまでの事である。課長は五十を越した道楽者にも似ず、その晩君江が酒も飲めば冗談も言うし、更に気まりのわるい事を知らない様子に、かえって興をさましたらしく、そこそこにその場を引上げた。