일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면

아오조라 문고

と思うと、鶴子は老人の好意をかたじけなく思うにつけ、その好意を受ける事のできない身の上を省みて涙を催さずにはいられなかったのである。

進と鶴子との恋愛生活は鎌倉に家を借りていた間、わずか一年くらいのものであった。進は一躍して文壇の流行児になり、俄に売文の富を得るようになると、忽ち杉原玲子という活動写真の女優に家を持たせるばかりか、絶えず芸者遊びをするようになった。その後玲子が進を捨てて同業の俳優と正式に結婚をすると、進はすぐその代りにカッフェーの女給を妾にするという有様。鶴子は殆どあきれ返って、嫉妬の情を起すよりも次第に夫の人格に対して底知れぬ絶望の悲しみを抱くようになった。鶴子は女学校に通っていた時から、仏蘭西の老婦人に就いて語学と礼法の個人教授を受け、また国学者某氏に就いて書法と古典の文学を学んだ事もあったので、結局それらの修養と趣味とがかえって禍をなし、没趣味な軍人の家庭にはいたたまれなかった。それと共に自分から夫に択んだ文学者清岡進の人物に対しても永く敬愛の情を捧げている事ができなくなったのである。初め軽井沢の教会堂で人から紹介せられた時の進と、今は通俗小説の大家を以て目せられている進とを比較すると、全く別の人としか思われない。