후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
七
七
おばさんから電話がかかった時、君江は折よく電話室に近いテーブルのお客と飲んでいたので、呼ばれるが否や、すぐに立って電話を聞いたが、もう三、四十分で店のしまう刻限、大分酔が廻っている上に、あたりの騒々しさに、清岡先生の来ていることだけは通じたけれど、それについておばさんのくどくど言うことは一向に聞取れなかった。とにかく今夜は清岡さんの来べき晩ではなく、かつまた前以て何のたよりさえなかったところから、君江は安心して既に宵の口に木村義男という洋行帰りの舞踏家とどこへか泊りに行く約束をしてしまった所へ、その後二、三度馴染みになった自動車輸入商の矢田さんが来て、カッフェーの帰りに春代と百合子の二人をも誘って、松屋呉服店の裏通にこの頃開店した麗々亭とかいうおでん屋へ是非とも寄ってくれ。外に約束があるなら一時間でも三十分でもよいからと言って、一度外へ出てから、今方再び立戻って来て、四、五人の女給にいろいろな物を食べさせている最中である。これと殆ど前後して、いつもカッフェーなどへは来た事のない松崎さんという老紳士が今夜にかぎってひょっくり姿を現した。尤も東京駅へ人を送りに行った帰りだという事である。