후리가나로 읽는 일본 고전
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ふもれすく
ふもれすく
辻 潤
辻 潤의 ふもれすく을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,833자 · 37화면
そうだ、僕はこの雑誌の編輯者から伊藤野枝さんの「おもいで」という題を与えられていたのだった。伊藤野枝ともN子とも野枝君ともいわないで僕は野枝さんという。なぜなら、僕の親愛なるまこと君が彼女――即ちまこと君の母である伊藤野枝君を常にそう呼んでいるからなのだ。
僕が野枝さんのことについてなにか書くのはこれが恐らく初めてだ。これまでも度々方々から彼女についてなにか書けという注文を受けたが、一度も書かなかった。なにも僕はもったいぶっていた訳でもなんでもなかったのだ。ただ書く興味が起こらなかったばかりなのだ。去年も「怪象」で大杉君が自叙伝の一節として例の葉山事件を書いた時、それに対して神近君が痛烈な反駁をした事があったが、その時も僕に両方の批判役としてなにか書いてほしいということだったが、僕には到底そんな芸は出来ないので後免を蒙った次第だった。
僕はそもそも事件の当初からいち早く逃げ出して、あるお寺の一室に立て籠り、沈黙三昧に耽って出来るだけ世間との交渉を断絶した。勿論新聞雑誌の類さえ一切見ず、友人達からも自分の行方をくらましていた。だからその後、大杉君らの生活の上にどんな事が起こって、どんな風な経過をとっていたかというようなことについては僕は一切知りもせず、また知りたいとも思わなかった。