일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もののかげ

ものの影

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 ものの影(もののかげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,794자 · 18화면

아오조라 문고

鬼気とか、妖気とか、もののけとか、そんなものに触れた感じだ。彼は戦時中、召集されて、北海道で軍隊生活をし、訓練の間には、深山幽谷で孤立した数時間を闇夜のうちに過したこともあるが、嘗て、ぞっとする不気味さを経験したことはなかった。恐怖とか驚駭ならば、まだよいが、へんな不気味さは、どうにもいけない。而もそれが、沼だの葦の茂みだの空襲の焼跡だのがあるにしても、近くに人家が見える東京都内で起ったのだ。

不気味なのは、その人影が、なまの人間の姿とは見えないことだった。さりとて、幻燈で映し出された像でもない。影の微粒子が寄り集まり凝り固まって、謂わば死気に生きてるのだ。葦の茂みの中を動き廻っても、葉擦れの音さえ立てないだろう。

酩酊の気魄を眼にこめて、彦一はじっと見つめた。少年の人影は、うつろな眼をこちらに向けてるらしいだけで、身じろぎだにしなかった。死気とも言えるものを、彦一はまともに感じた。一瞬、不気味さが憤りに変った。彼は一歩踏み出した。相手は小揺ぎもしない。彼はまた一歩踏み出し、同時に、拳固の一撃を相手の横※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)に喰わした。