후리가나로 읽는 일본 고전
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わがまち
わが町
織田 作之助
織田 作之助의 わが町(わがまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,840자 · 186화면
が、新太郎が開業する時に借りた金は、未だすっかり済んでいない。比律賓へ行くのはもうすこしの辛抱だと、じっと腹の虫を圧えている内、新太郎の家の隣りから火が出て、開業早々丸焼けになった。
焼け出されて、新太郎は一時河童路地の他吉の家へうつって来たが、げっそりして、頭から蒲団をかぶって、まるで暖簾に凭れて麩噛んだような精のない顔をしていた。
もう一度、立ち直って、桶屋をはじめる気もないらしく、また、職を探しに歩こうともしなかった。
ぶつぶつ何やら呟いているのを聴けば、開業資金に借りた金の残額を、おろおろ勘定しているのだった。
「阿呆んだらめ!」
他吉は叱りつけて、
「家の中でごろごろして借金がかえせる思てるのか。いったい、これからどないする気や。もちっと、はんなりしなはれ」
「さあ、どないしたらええやろ。もう、こうなったら、冷やし飴でも売りに歩かな、仕様(しよ)おまへんな。ほんまに、えらい災難や」
心細い声で、ぼそんと言った。
「仕様(しよう)むないこと言いな。お前みたな気イで冷やし飴売りに歩いてたら、飴が腐敗(くさ)ってしまう……」
言って、他吉はふと眼をひからせた。