일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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わがまち

わが町

織田 作之助

織田 作之助의 わが町(わがまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,840자 · 186화면

아오조라 문고

第一回の移民船香港丸が百二十五名の労働者を乗せて、マニラに入港したのは明治三十六年十月十六日であった。

股引、腹掛、脚絆に草鞋ばき、ねじ鉢巻きの者もいて、焼けだされたような薄汚い不気味な恰好で上陸した姿を見て、白人や比律賓人は何かぎょっとし、比人労働組合は同志を糾合して排斥運動をはじめ、英字新聞も日清戦争の勇士が比律賓占領に上陸したと書き立てた。

それを知ってか知らずにか、百二十五名の移民はマニラで二日休養ののち、がたがたの軽便鉄道でダグバンまで行き、そこから徒歩でベンゲットの山道へ向った。

まず牛車(カルトン)を雇って荷物を積み込み、そして道なき山を分け進んだが、もとより旅館はなく日が暮れると、ごろりと野宿して避難民めいた。

鍋釜が無いゆえ、飯は炊けず、持って来たパンはおおかた蟻に食い荒されておまけにひどい蚊だ。

そんな苦労を二晩つづけて、やっと工事の現場へたどり着いて見ると、断崖が鼻すれすれに迫り、下はもちろん谷底で、雲がかかり、時にはぐらぐらした岩を足場に作業して貰わねばならぬと言う。

ただでさえ異郷の、こんなところで働くのかと、船の中ではあらくれで通っていた連中も、あっと息をのんだが、けれど今更日本へ引きかえせない。