후리가나로 읽는 일본 고전
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わがまち
わが町
織田 作之助
織田 作之助의 わが町(わがまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,869자 · 52화면
動物園から聴き馴れぬ鳴声がきこえて来た。丁稚らしい男がハーモニカを吹いている。「流れ流れてェ、落ち行く先はァ、北はシベリヤ、南はジャバよ……」というその曲が、もう五十近い他吉の耳にも、そこはかとなく物悲しく、賑かな場所で泣かすまいと、わざとそんな場所をえらんで連れて来て、手紙を見せる、その前から、もう他吉は涙が出て来た。
ベンチに並んで、手紙を見せると、初枝は立ち上って瓦斯灯のあかりに照らして読んだ。途端に初枝は気が遠くなり、ふと気がついた時、もう他吉の俥の上で、にわかに下腹がさしこんで来た。
産気づいたのだと、他吉にもわかり、初枝を寝かすなり、すぐ飛んで行って、産婆を自身乗せて来たので、月足らずだったが、子供は助かり、その代り初枝はとられた。
二人の死亡届と出産届が重なったわけだと、朝日軒の敬吉は法律知識を振りまわして、ひとり喧しかったが、しかし、はたの者は皆ひっそりして、羅宇しかえ屋の女房でさえ、これを見ては、声をつつしんだ。
長屋の寄り合いには無くてかなわぬ落語家の〆団治も、今夜は普通の晩やあらへんさかいと、滑稽口を封じられて、渋い顔をしていたが、けれど、さすがに黙って居るのは辛いと見えて、腑抜けている他吉の傍へ寄り、