후리가나로 읽는 일본 고전
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わがまち
わが町
織田 作之助
織田 作之助의 わが町(わがまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,869자 · 52화면
「へえ? あんたみたいな別嬪さんが……?」
と、便利屋の主人は驚いたが、配達の手伝いなら、時間に縛られることもないし、足には自信があると、案外本気らしかったので、
「そんなら自転車に乗ってくれまっか。」
手当はもとよりたいしたことは無く、背を焼かれるような病院の払いには焼石に水だったが、けれど全くはいらぬよりはましだと、君枝は早速自転車の稽古をはじめた。
ところが、ハンドルを持ったとたんに、もう君枝は尻餅をついて、便利屋の前はたちまち人だかりがした。君枝は鼻の上に汗をためて、しきりに下唇を突きだして跨り、跨り、漸くのことで動きだすと、
「退いとくれやっしゃ。衝突しまっせ。危のおまっせ。」
と、金切声で叫び、そして転んで、あはははと笑っていた。亭主が怪我で入院しているというのに、この明るさはどこから来ているのかと、便利屋の主人はあきれた。
翌日から君枝は、病院へ便利屋の電話が掛ると、いそいそと出掛け、リヤカーをつけて配達に廻った。ある日、仏壇を積んで、南河内の萩原天神まで行った。堺の三国を過ぎると、二里の登り道で、朝九時に大阪を出たのに、昼の一時を過ぎても、まだ中百舌鳥村であった。