후리가나로 읽는 일본 고전
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われをかえりみる
われを省みる
宮本 百合子
宮本 百合子의 われを省みる(われをかえりみる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,652자 · 12화면
文字の上では、いささかの華やかさもない時です。それにも拘らず、私一人としては慎重に思いあらためて見ずにおけない、内的転回が極最近に行われました。数年間持続した渾沌が或る程度まで整理され、兎に角落付ける光がさして来たのです。
一体、私は、幼女の時代から、概して幸福といわれる境遇のうちに育ちました。子供にとって幸福というのは、充分な父母の愛と、相当な物資の余裕、健康、稍長じては各自の個性を認めようとする常識を両親が持っていてくれるということです。私は、幸い丈夫で、可愛がられ、今から十年前の一般から見れば自由に育って来ました。従って性格のうちに、極自然な人生に対する愛と、よき意味での大望がゆっくり芽生えました。父母の遺伝もあり、自己の傾向もあって、十七歳以後、理想主義的気質が、私の生存の柱となっていました。これを一歩突込んでいえば、異常な惨苦をなめない、健康な生活力に漲った人間が、当然感じる生活愛といえるでしょう。生を愛さずに置けない本能です。然し、実際の生活苦などは知らないのだから、最も自分の想像、期待と調和する理想主義を、知識として呼び出し、自己の情熱の名づけ親とするよりほかありません。