후리가나로 읽는 일본 고전
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ひきょうもの
カインの末裔
有島 武郎
有島 武郎의 カインの末裔(ひきょうもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,876자 · 52화면
そして彼はすべてのことを思うままにぶちまけることのできない自分をその時も歯痒ゆく思った。
事務所にはもう赤々とランプがともされていて、監督の母親や内儀さんが戸の外に走り出て彼らを出迎えた。土下座せんばかりの母親の挨拶などに対しても、父は監督に対すると同時に厳格な態度を見せて、やおら靴を脱ぎ捨てると、自分の設計で建て上げた座敷にとおって、洋服のままきちんと囲炉裡の横座にすわった。そして眼鏡をはずす間もなく、両手を顔にあてて、下の方から、禿げ上がった両鬢へとはげしくなで上げた。それが父が草臥れた時のしぐさであると同時に、何か心にからんだことのある時のしぐさだ。彼は座敷に荷物を運び入れる手伝いをした後、父の前に座を取って、そのしぐさに対して不安を感じた。今夜は就寝がきわめて晩くなるなと思った。
二人が風呂から上がると内儀さんが食膳を運んで、監督は相伴なしで話し相手をするために部屋の入口にかしこまった。
父は風呂で火照った顔を双手でなで上げながら、大きく気息を吐き出した。内儀さんは座にたえないほどぎごちない思いをしているらしかった。
「風呂桶をしかえたな」