일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひきょうもの

カインの末裔

有島 武郎

有島 武郎의 カインの末裔(ひきょうもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,876자 · 52화면

아오조라 문고

父がこうして北海道の山の中に大きな農場を持とうと思い立ったのも、つまり彼の将来を思ってのことだということもよく知っていた。それを思うと彼は黙って親子というものを考えたかった。

「お前は夕飯はどうした」

そう突然父が尋ねた。監督はいつものとおり無表情に見える声で、

「いえなに……」

と曖昧に答えた。父は蒲団の左角にひきつけてある懐中道具の中から、重そうな金時計を取りあげて、眼を細めながら遠くに離して時間を読もうとした。

突然事務所の方で弾条のゆるんだらしい柱時計が十時を打った。彼も自分の時計を帯の間に探ったが十時半になっていた。

「十時半ですよ。あなたまだ食わないんだね」

彼は少し父にあたるような声で監督にこう言った。

それにもかかわらず父は存外平気だった。

「そうか。それではもういいから行って食うといい。俺しもお前の年ごろの時分には、飯も何も忘れてからに夜ふかしをしたものだ。仕事をする以上はほかのことを忘れるくらいでなくてはおもしろくもないし、甘くゆくもんでもない。……しかし今夜は御苦労だった。行く前にもう一言お前に言っておくが」

そういう発端で明日矢部と会見するに当たっての監督としての位置と仕事とを父は注意し始めた。