후리가나로 읽는 일본 고전
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カストリこうじつろく
カストリ侯実録
久生 十蘭
久生 十蘭의 カストリ侯実録(カストリこうじつろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,619자 · 31화면
司法当局は法曹界を総動員し、血眼になって遺漏の発見に努力しているうちに、リシュモンなるルイ十七世は、キャプシイヌ街のグランド・ホテルの貴賓室を貸切り、贅沢なサロンを開いて毎日のようにレセプションをやり、ブゥルボン家の紋章をつけた四頭立の馬車を乗り廻して巴里人士を驚倒させた。
派手な襞飾の薄紗のシャツに強烈な色彩の青繻子のチョッキ、純金の釦のついたロシア天鵞絨の上着、襟飾にはダイヤモンドの襟留玉、ズボンは白の鹿革で、宝石の止金のついた先細の靴という伊達さ加減で、書類も服装も申分ない上出来だが、容貌と記憶力に少々難点があった。
ルイ十六世は眼も鼻も口もすべて道具立ての大きな寛濶な容貌で、それがまたそのひとの特質になっていたが、リシュモンのルイ十七世の顔は、眼も口も小さく、とりわけ唇はいつも引結ばれているいかにも卑し気なあるかなしかの薄手な唇で、顔の筋肉に波動が多く、中東の血が混っているのではないかと思わせた。身振りや態度の中にも王族とはこんなものと心得ているような尤もらしいところがあり、言葉づかいも粗雑で宮廷礼式の感覚を欠き、対坐するものに意外な感じを抱かせた。