후리가나로 읽는 일본 고전
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
佐々木 邦의 ガラマサどん을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 99,079자 · 202화면
折しもあれ、室内のものが一斉に立ち上って姿勢を正した。見ると社長がノッソリ入って来た。私は特別丁寧に頭を下げた。
「熊野君」
と社長が私を呼んだ。
「はあ」
「時間の都合がついたから、これから直ぐに家へ帰る。君も一緒に来ないか?」
「はあ」
「もう仕事は済んだんだろう?」
「はあ。直ぐにお供致します」
と私は大得意だった。室中の視線が私に集注した。
「それじゃ出掛けよう」
「一寸外套を着て参ります」
「玄関で待っている」
と社長は先に立った。
私は社長と同乗で会社を出た。附近の交叉点で一寸の間止まっている中に、電車を待っている社員達が社長を見かけて脱帽した。私が会釈したら、私にもお辞儀をした。虎の威光は借りるまでもなく、側に坐っていると自然に身につく。
「社長」
「何だね?」
「今日は好いお天気でございますな」
「うむ」
「昨日は一日曇りましたけれど」
「朝少し降ったよ」
「はあ。一昨日は一日時雨れました」
「然うだったかね」
「冬初めのお天気は何うも長続きが致しません」
と私は話しているところを見て貰いたさに、大いに努力したのだった。我ながら浅ましいと思ったが、仕方がない。会社員には会社員の本能がある。