후리가나로 읽는 일본 고전
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村 伊助의 スウィス日記(スウィスにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,275자 · 410화면
エギュイユはまだ雲に包まれて、ただその上に、靄の中をつきぬけているのは、牙のようなドゥリュー Aiguille de Dru であった。昔から御なじみの山岳が、今そのままに眼の前にそびえているのだから、羚羊のように雪の上を飛びはねて、夢中になってうれしがったのは云うまでもない。メル・ドゥ・グラスの落ち口も、今日は朝靄の上にはっきりと、クレヴァースのぎざぎざに降り置く雪の、上なるは白く、氷は水色に輝いている。
十時、朝日はモン・ブロンの一角から表われた、それまでも、南の山はまぶしくって、白熱にさえかえった朝空よりもなお白く、雪の輪劃を僅かに認めえたばかりである。
昼近くなっても、渓間には朝をそのままの靄がたなびいて、ドゥリューの外のエギュイユは、とうとう姿を表わさなかった。宿に着いてものぼせ上って、食事も咽喉へ入らない、ガイドでなくても、山が飯のたしになるとは、さっぱり気がつかなかったが、伝え聞く宝丹満腹も、此の場合には不用と覚えた。
さて昼過ぎ、日はうららかにブレヴァンの空に輝いて、瀑のごとく、絶崖を這い上る淡い靄の上には彼のモン・ブロンから東北へ、シャモニーの渓を限るエギュイユのミディ Aiguille du Midi、プラン Aig. du Plan、ブレィシエール Aig. du Blaiti※(