후리가나로 읽는 일본 고전
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村 伊助의 スウィス日記(スウィスにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,275자 · 410화면
ヒルテルフィンゲン Hilterfingen
八月二十九日、私達が思い出の多い此のシュピタールを去った時は、空はうららかに晴れ渡って、軽い砂をあげて、音もなく走る馬車の上から、青葉の中に病院の窓を仰ぐと、何となく胸のふさがるような気もちが湧いた。停車場からトゥーンまで切符を買って、からあきの客車の窓によると、もう汽車は静かに動きはじめる、と、ポプラのむら立ちの間から、ちらちらと眺められるあの建物が、今までは気にもとめなかった草原のむこうに、私達には、一生忘れることの出来ない、記念碑のようにも感ぜられた。
景は次第に移って、ひろびろとトゥーンの水がのぞまれる、ハルデルの樅の緑も、忘れがたい親しみを覚える、私達は寥しい心もちで、一言も交さずじっと移りゆく景色を眺めていた。
ヒルテルフィンゲン Hilterfingen
シュピーツを過ぎると、トゥーネルゼーは再び窓に近づいて、水路の綾のように入り組んだ湖のむこうには、小さくオーベルホーフェンの城跡が望まれる、私達が身体の回復するまでいようとする宿は、城に近いヒルテルフィンゲンの小村にある。
トゥーンの町で汽車を下りて、停車場前から馬車を走らせる、街をはなれると、湖水から流れ落ちるアーレの水に沿うて、うち開く緑の牧場や、そのここかしこに建てられた百姓家の間を、一筋東に貫く街道を、車はかろく揺れながら、気もち