후리가나로 읽는 일본 고전
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
久生 十蘭의 ノンシャラン道中記(ノンシャランどうちゅうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,878자 · 26화면
タヌの新案にかかる、「脳神経の栄養を主としたる即物的な家庭療法」が、どれほど偉大な効果を有するものであるか、その第一日目の夜半においてコン吉は三十九度の熱を出し、脈搏結帯、上厠頻数、さてそのあげく、毛細管支炎喘息腐敗食による大腸加太児という、不思議な余病を併発したのによっても明白だというものである。これにはタヌも色を失い改めて医者よ! 薬よ! と、右往左往した末、どうやら一命は取りとめたが、余後はなはだ香ばしいというわけにはゆかず、今年の冬はぜひとも巴里の冷たい霧から逃れ、南仏蘭西の海岸に日光と塩分を求めて転地しなければならぬという、医師の勧告に従うのやむなきに立ち到った。
しかるべき手廻りの品も鞄に納り、行先きは岩赤く海碧きサン・ラファイエルの岬か、ミモザと夾竹桃の咲くヴィル・フランシュの海岸と定め、早朝から里昂停車場へ座席の予約に行ったタヌは、さてその夕方になってから、はるか谷底の舗道の上で、
「コン吉よ、コン吉よ」と、けたたましく呼ぶのである。素破また事件の到来、凶事の発端、と、よろめく足を踏みしめながら、鉄鎧戸を開いて露台から霧の街道を見おろすと、タヌは何やら黒い物体の上に跨って、はなはだ快適な嬌声をあげているので。