후리가나로 읽는 일본 고전
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いちのくらさわしょうめんのとうはん
一ノ倉沢正面の登攀
小川 登喜男
小川 登喜男의 一ノ倉沢正面の登攀(いちのくらさわしょうめんのとうはん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,722자 · 12화면
チムニーの入口はやっと二人入れ得るほどなので、二番目の者がその足場に立つと、すぐに自分はチムニー登りでもって登って行った。チムニーの出口は具合よくなっていたので楽に上の広い草の生えた台地に出る。一先ずルックザックを引上げ、皆その台地の上に立つと、軽い気持になって暫く憩う。
既に三時半であり、露営する用意もなくその日の中に谷川温泉へ下る積りの私たちは、上の解らない岩壁を控えて、幾分の焦躁さえ感じた。やがて乱れ飛ぶ霧に、せき立られるようにして立上ると、台地のすぐ上を登って行った。この壁は思ったより手強かった。岩は堅く緊っているが、手懸は小さく足場は少い。台地から五十米ばかりの間、二カ所の難所に極度の緊張とバランスとを要求せられる。
ようやく自分がそれをやり終え、二番目の高木が第一の難所の上の足場に立った時、先ほどから怪しく密集していた霧は、遂に水滴と変った。来たなと思う間もなく、豪雨は沛然として乾いた岩を黒く染めて行く。暗い霧の中に紫の電光が閃いて、激しい雷鳴がうす気味悪い反響を周囲の岩壁にたたき附ける。強い雨足は岩に当って白い沫をあげながら、無数の細い滝となって乱れ落ちて行く。