후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとにぎりのかみのけ
一握の髪の毛
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 一握の髪の毛(ひとにぎりのかみのけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,548자 · 14화면
章一は小声で云って笑声をして、「どうだい」
「痴、ね、え」
婢も意味ありそうに小さな声で笑った。
「もう寝てる」
「まだお起きになっていらっしゃいますわ」
「そう、じゃ、御機嫌を伺って来ようか、ね」
章一は玄関をあがって左側の室へ入った。そこにはスタンドを点けて紅いメリンスの大きな座蒲団の上に脊の高い年とった女が腹這いになって、小説のようなものを読んでいた。
「今晩は」
「……木村さん」女は長手な顔をあげて透すようにして、
「今日は、どうしたの」
「多摩川の方へ遊びに往った帰りです、何か御饗応はないでしょうか」
「御饗応よりも、ぜんたい、あなたがたは、どうしたのです」
章一は枕頭へ往って胡座をかいた。
「どうしたって、何かあったの」
「何もないのですが、奥さんが来るし、あなたが来るしさ」
「あれが来たのですか」
「何かあったのでしょ」
章一はそれよりも細君の髪の毛のことを聞きたかった。
「頭を、どうかしてたのですか」
「頭って、頭はなんともなかったわ、頭をどうかしたの」
「それは、幾時比です」
「そうさね、八時半だろうか、お客さんが来て茶の間で話してると、黙って入って来て、何かわたしが云おうとすると、すぐ往っちゃったわ、へんな人、ね、え、何か云いあったの」