후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
夢野 久作의 一足お先に(ひとあしおさきに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 40,200자 · 79화면
、ドタリと大きな音を立てたのには胆を冷やした。思わずハッとして手に汗を握った。すると又それと同時に、入口の近くに寝ていた一番若い看護婦が、ムニャムニャと寝返りをしかけたので、私は又、大急ぎでその方へ匍い寄って行って、残りの薬液の大部分を綿に浸して差し付けた。そうしてその看護婦がグッタリと仰向けに引っくり返ったなりに動かなくなると、その綿を鼻の上に置いたままソロソロと離れ退いた。……モウ大丈夫という安心と、スバラシイ何ともいえない或るものを征服し得た誇りとを、胸一パイに躍らせながら……。
私は、その嬉しさに駆られて、寝ている女たちの顔を見まわすべく、一本足で立ち上りかけたが、思いがけなくフラフラとなって、絨毯の上に後手を突いた。その瞬間にこれは多分、最前から室の中の息苦しい女の匂いに混っている、麻酔薬の透明な芳香に、いくらか脳髄を犯されたせいかも知れないと思った。……が……しかし、ここで眼を眩わしたり何かしたら大変な事になると思ったので、モウ一度両手を突いて、気を取り直しつつソロソロと立ち上った。並んで麻酔している女たちの枕元の、生冷たい壁紙のまん中に身体を寄せかけて、落ち付こう落ち付こうと努力しいしい、改めて室の中を見まわした。