후리가나로 읽는 일본 고전
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あるくこと
三好十郎の仕事 第三巻
三好 十郎
三好 十郎의 三好十郎の仕事 第三巻(あるくこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,472자 · 667화면
そのころの例にもれず、列車はおそろしく混んでいて、もちろんすわれはせず、窓のそばに押しつけられて身動きもできないので、息ぐるしく不快でした。しかし発車して一時間もすると、それはそれなりに、身辺が落ちつきなごんできて、小仏のトンネルを越えたころからは窓の外を眺め入る余裕もできてきました。二時間ばかりたち、勝沼から塩山あたりの山村が窓の外をユックリと走りすぎていきます。それまでに幾度も見てすぎたり、ところどころには列車をおりて滞在したところもあるし、別に目新しい景色でもありません。だのに私の目は、山や川や、ボツボツと光っている農家の白壁や、ことにそれらのあいだに、歩いたり働いたりしてユックリと動いている小さい人間の姿を、食いいるように見ていました。
そのうちに、私のうちに自分でもびっくりしたくらいに出しぬけに、そして、はげしい一種の気持が突きあげてきました。それは観念ではないから、言葉にして説明はできません。感動とか啓示とかいうものかもしれません。それは、ひじょうに深く、澄みとおって、鳴りひゞくような調子を持ちながら静かな静かな音楽のようなものでした。