후리가나로 읽는 일본 고전
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みさきまちのはら
三崎町の原
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 三崎町の原(みさきまちのはら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,292자 · 5화면
ともかくも春木座はいわゆる檜舞台の大劇場であるのに、それが二回九銭で見物できるというのであるから、確に廉いに相違ない。それが大評判となって、毎月爪も立たないような大入りを占めた。
芝居狂の一少年がそれを見逃すはずがない。わたしは月初めの日曜ごとに春木座へ通うことを怠らなかったのである。ただ、困ることは開場が午前七時というのである。なにしろ非常の大入りである上に、日曜日などは殊に混雑するので、午前四時か遅くも五時頃までには劇場の前にゆき着いて、その開場を待っていなければならない。麹町の元園町から徒歩で本郷まで行くのであるから、午前三時頃から家を出てゆく覚悟でなければならない。わたしは午前二時頃に起きて、ゆうべの残りの冷飯を食って、腰弁当をたずさえて、小倉の袴の股立を取って、朴歯の下駄をはいて、本郷までゆく途中、どうしてもかの三崎町の原を通り抜けなければならない事になる。勿論、須田町の方から廻ってゆく道がないでもないが、それでは非常の迂回であるから、どうしても九段下から三崎町の原を横ぎって水道橋へ出ることになる。
その原は前にいう通りの次第であるから、午前四時五時の頃に人通りなどのあろうはずはない。