후리가나로 읽는 일본 고전
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みききよしをおもう
三木清を憶う
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 三木清を憶う(みききよしをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,154자 · 15화면
拘置所内の皮膚病、殊に疥癬は、ひどく悪質なもので、それが高ずれば腎臓を冒して死に至らしむること、医学上の常識的経過だとも言われる。病舎にあって三木は、付添いの者もなく、寝台の外に倒れていたことが事実らしい。それらのことを、吾々は一切知らなかった。彼が死へ放置されてる間、吾々はただ彼の釈放をのみ待っていた。そして吾々の前に突然、彼の死体が現われたのである。
死体を前にしても、吾々の眼には頑健な彼の姿のみが映る。彼は肉体的にも精神的にも、野性的頑健さを持っていた。よく食い、よく飲み、よく談じた。
牛鍋をつっつく時の彼は面白かった。飲みながら、談じながら、生煮えの肉を頬張った。一切れ頬張ると、また箸をつきだして、鍋の中の生煮えの一切れを押える。無意識に先取特権を宣言するのである。肉が少くなると、他の者は箸を差出す余地がなくなる。最後の一切れまで彼に平げられてしまう。――然し私は、これに対抗する法を心得ていた。彼が肉の方に気を配ってる間に、私は酒の方に眼をつけるのである。銚子の最後の一杯まで飲んでしまう。彼が肉を食い終って、銚子に手を出す時には、もうそこには一滴も残っていない。