후리가나로 읽는 일본 고전
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 三浦老人昔話(みうらろうじんむかしばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 113,637자 · 224화면
時刻はもう七つ(午後四時)下りでしたろう。薄いゆう日が丁度お朝のうしろに立っている大きい柳の痩せた枝を照らして、うす白く枯れかゝったその葉の影がいよ/\白く寂しくみえました。そこらの空地には色のさめた葉鶏頭が将棋倒しに幾株も倒れていて、こおろぎが弱い声で鳴いていました。お朝は深い井戸を覗いているらしゅうございましたが、その澄んだ井戸の水には秋の雲が白く映ることをわたくし共は知っています。お朝も屹とその雲の姿をながめているのであろうと推量しましたので、別に嚇かして遣ろうという積りでもありませんでしたが、わたくしはなんという気もなしに抜足をして、そっと井戸の方へ忍んで行きますと、お朝は気がついて振向きました。薄いもの白い顔が洗われたように夕日に光っているのは、今まで泣いていたらしく思われたので、わたくしもびっくりしました。まさかに身を投げる積りでもありますまい。第一になぜ泣いているのか、その理窟が呑み込めませんでした。お朝はわたくしの顔をみると、すぐに眼をそむけて、黙って内へ這入ってしまいました。わたくしは少し呆気に取られて、そのうしろ姿を見送っていました。