후리가나로 읽는 일본 고전
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さんりょうきょう
三稜鏡
佐左木 俊郎
佐左木 俊郎의 三稜鏡(さんりょうきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,347자 · 42화면
私は激しい煩悶の中に、外科医術の研究を中止しようとする臆病と、博士の令嬢に対する未練との間に立って、愚図愚図と躊躇しながら、幾日も自分の部屋を出なかった。
「何をぼんやりしているんだね?」
そんな風に言いながら、幾日も顔を見せなかった博士が、突然に私の部屋を窺き込むのであった。私はぞっとする。私は驚異の眼を※(「目+爭」、第3水準1-88-85)るだけで何も答えることが出来なかった。
「実験をやったらどうだ? 実験を! 外科医術は臨床の方が大切だぞ」
「はっ!」
私はわなわなと顫えながら直立不動の姿勢になる。
「幾ら理論的にはわかっていても、手先が思うように動かなくちゃ、外科医術だけは全く何んにもならんのだからな」
それはまるで、私の手先の不器用なのを、露骨に罵っているような言葉であった。
私の自尊心は狂的にむらむらと踊りあがる。併し私は博士が怖ろしかった。
「殊にも君は手先が不器用だから、執刀の練習をしっかりやって置かんと、外科医になどなれんぞ」
「はっ!」
私はかっと反抗心に燃えて来て、滅茶苦茶な感情になりながらも、何んとなく博士が怖ろしく、表面では従順を装って了うのであった。