후리가나로 읽는 일본 고전
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
小林 多喜二의 不在地主(ふざいじぬし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,990자 · 141화면
今年はこの後若し雨にでも降られれば「事」だった。
阿部の家の前の暗がりで、不意に犬が吠え立った。家の中から誰か犬の名を呼んでいる。小さい窓を大きく影が横切って、すぐ入口の戸が開いた。阿部が顔を出した。
旭川の人はまだ来ていなかった。
八人程集っていたが、若いものは健一人だけで、皆家をもっている農場でも真面目な年輩の小作ばかりだった。それは意外だった。健は漠然と若い人達ばかりと思ってきたのだ。――然し、その人達を見ると、やっぱりこれが本当だと思わさった。太い、ガッシリした根が、眼には見えず農場の底深くに、しっかり据えられているのを感じた。
「作」のことが、やっぱり話に出ていた。
吉本管理人は、いくら田を見せて頼んでも、決してそのまま岸野に知らせてやってはくれなかった。裏では、吉本を本名で呼ぶものはいない。「蛇吉蛇吉」と云っている。管理人だから黙っているけれども、誰かに不幸があったとき、地主が小作人に送って寄こす「香奠」から頭を割った。自分ですっかり書き直して、それから小作のところへ香奠を持ってきた。道路や灌漑溝の修繕工事をすると云って、日雇賃を地主から出さして置いて、小作人を無償で働かし、それをマンマと自分のものにしてしまった。