후리가나로 읽는 일본 고전
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アリゾナのめとら
世界怪奇実話II
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話II(アリゾナのめとら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,877자 · 91화면
「相手が先に引き金を引いたんだから、つまり、正当防衛という訳ですかな。ははははは、仲なか巧いことを言う――まあ、奥さん、それはそれとして、何卒これに御署名を」
秘書から告白の写しを受取って、その下段の余白を指さしながら、課長はルウスにペンを握らした。
あの日の正午、この羅府の下町で弟の自動車を下りてから、ルウスは群集に紛れて町を歩き廻ったのち、ウールウオウスの店へ這入ってエレヴエタアで、最上階へ上り、カアテンの蔭に隠れて、閉店になるのを待ったのだという。何うして発見されなかったものか、そのカアテンの蔭で夜を迎えて、ルウスは店内に一夜を明かしたのだった。何度となく夜警が巡って来たが、彼女は売台の蔭に外套を敷いて寝ていて、とうとう朝まで見つからなかった。翌朝、開店時になると、便所に忍んで、買物の群集で店の混み出すのを待ち、何気なく立ち去ったのだ。何処へも行く当てがない。それでも、其の筋の眼を眩ますために変装を思いついて、薬屋へ立寄り、髪の毛を染める薬品やなどを買い込んでいるところを見ると、ちょっと本格的な犯罪者らしい閃きも見えるのだ。一日一ぱい歩き廻った末、午後、バサデナのラ・ヴィナ病院の看護婦募集の広告を見て、同地行きの電車に乗り込んだのだが、途中で気が変って田舎の停留所へ下車したのだった。