후리가나로 읽는 일본 고전
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しがつばか
世相・競馬
織田 作之助
織田 作之助의 世相・競馬(しがつばか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,112자 · 39화면
しかし、いくら彼がイキだと洒落ているつもりでも人はそうは受け取ってくれない。折角前で結んだ帯も彼の汚なさの一つに数えてしまうのである。
なぜそんなに汚ないのか。いうならば、貧乏なのである。彼は帝大の学生だった頃、制服というものを持たなかった。中学生の時分より着ているよれよれの絣の着物で通学した。袴をはくのがきらいだったので、下宿を出る時、懐へ袴をつっ込んで行き、校門の前で出してはいたという。制帽も持たなかった。だから、誰も彼を学生だと思うものはなかった。労働者か地廻りのように思っていた。貧しく育った彼は貧乏人の味方であり、社会改造の熱情に燃えていたが、学校の前でその運動のビラを配る時、彼のそんな服装が非常に役に立ったというくらい、汚ない恰好をしていたのである。
もっとも、貧乏だけで人はそんなに汚なくなるものではなかろう。わざと汚なくしていたのは、お上品なプチブル趣味への反逆でもあった。彼は小説家だが、彼の書く小説にはつねに庶民が出て来た。彼自身市井の塵埃や泥の中に身を横たえて書いたと思われるような小説が多かった。たまたまブルジョワが出て来てもしかしそれはブルジョワを攻撃するためであった。