후리가나로 읽는 일본 고전
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たんなやまのかい
丹那山の怪
江見 水蔭
江見 水蔭의 丹那山の怪(たんなやまのかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,168자 · 15화면
「や、拙者は酒は好まぬ。食事を取急ぐように」
純之進は江戸を立つ時に、先輩から注意されて来ているので。うッかり甘い顔を見せると、御馳走政略に載せられて、忽ち田畑の凶作を云い立て、年貢御猶予の願いと出て来る。その他いろいろ虫の好い願いを持出すから、決して油断は出来ぬという。それを胸に貯えているので、警戒を一層引締て掛ったのだ。
今度の巡検使は、厳しいか、緩やかなのか、領内の者が脈を引いて見るのは、最初の宿の三島という事に代々極っているのだが、純之進の態度が若きに似ず意外に厳格なので、これは一筋縄では行かぬと覚ったらしかった。
明くる日は駕かきの人足まで皆村方から出て来て、その外お供が非常に多かった。三島明神の一の鳥居前から、右に入って、市ヶ谷、中原、中島、大場と過ぎ、平井の里で昼食。それから二里の峠を越して、丹那の窪地に入った時には、お供が又殖えていた。役人はこわい者、機嫌を取っておかぬと後の祟りが恐ろしいという、そうしたその時代の百姓心理を、ゆくりなく初日から示したのであった。
丹那という土地は四方を高い山々で取囲まれていて、窪地の中央に水田があって、その周囲に農家がチラホラとあるに過ぎなかった。