후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
久生 十蘭의 久生十蘭短篇選(ぼしぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,344자 · 96화면
白女としては、朝霞に復讐することだけがただ一つの生甲斐のようになっているので、泰文の冷淡な態度に業を煮やし、外へ出てあることないことに尾鰭をつけて触れまわったものである。閨房の乱は一般の風で、めずらしいことはなにもなかったが、それが泰文の内室ではじまったことをみな痛快がった。泰文にしてやられた女房連や、怨を含んでいた亭主どもは、このときとばかりにはやしたてたので、洛中洛外にこの話を知らないものは一人もないほどになった。奇怪なのは泰文の態度で、湧きたつような醜聞を平然と聞流しにしているばかりか、自分のほうからほうぼうへ出かけて行って、自分が毎日どんな情けない目にあっているかというようなことを行ってあるき、自分の話のあわれさにつまされて泣きだしたりした。この間、泰文という男はなにを考えていたのか、他人にはまったく窺い知れぬことである。ふしぎなのはそれだけではない。保平をそのまま邸に置きながら、保平の家従や僕を車部屋の梁へ吊るし、保平と朝霞の間にどれほどのことがあったのか白状しろと迫った。このへんの心理はまったく不可解である。
最初にやられたのは天羽透司という家従で、保平の友人でもあり、打明け話の相手だと思われている男であった。