후리가나로 읽는 일본 고전
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ちちとみつのながれるち
乳と蜜の流れる地
笠 信太郎
笠 信太郎의 乳と蜜の流れる地(ちちとみつのながれるち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,472자 · 7화면
ロザンヌでも、ニュー・シャーテルでも、ルツェルンでも、トゥーンでも、そのおぼえがある。どこでも、小さなサカナが泳いでいて、それが岸近くに寄ってくる。大きいのは、時には落ち鮎ぐらいのが、チラッと姿を見せることがあるし、たいていは人指しゆびくらいの魚が、岸近くを群れを作って泳いでいる。それはワカサギのようでもあるが、実はそれが何であるかをその都度つきとめることを忘れてきた。ところで水の中をのぞき込む私は、ああいう山国でサカナに渇えていたせいもあろうが、あれを掬って、塩焼にするか、それとも甘露煮にしてもうまいだろうに、といつでも考えた。ところがその土地の人は、こんなサカナには一向に見むきもしないのである。日本だったら、ハエ釣の名人などは、釣というほうからいっても、見のがしはしないだろうに、などと思ったことである。
そんな思いをするにつけても、私の食慾が、青い水の色とつながっていることをいよいよ自ら信ずるようになった。果ては、これは自分ばかりではなくて、サカナをたくさん食う日本人――日本は漁獲量ではかくれもなき世界第一の国だ――その日本人の食慾につきまとう色も、私と同じであるに違いないと、いつの間にか信じ込んでしまっているようである。