후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
宮本 百合子의 二つの庭(ふたつのにわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,492자 · 389화면
「――ちがう……」
といった。
「だからさ。ああいう奴には、ざっぷり冷水をあびせてやるに限るんだよ。二人が暮している以上、いいたいことはいわしとく位の実意がなくてどうするのさ」
三年前、文学上の先輩である楢崎佐保子のところで、伸子は偶然来あわせた吉見素子に紹介された。素子の小麦色のきめのこまかい棗形の顔や、上まぶたの弓なりに張った眼。縞の着物と羽織とを着て、帯や帯どめに小味な趣味を示していた素子は、日頃友人のすくない伸子に魅力を感じさせた。佃との生活が、破壊の一歩手前まで来ていた伸子には、佐保子から話された素子の一人ぐらしの生活ぶりも、女が主人となって暮している生活として印象ぶかく、羨しく思えた。伸子は、うちに落ちついていられなくなっている心を、単純に、せっかちに素子に繋いだ。散歩だとか小旅行だとかの習慣をもたない伸子は、素子に誘われて日比谷公園で鶴の噴水を見ながら実朝の和歌の話をしたりした。その歌の話から鎌倉へ遊びに行った。そういう時の素子は、女にこんなひとがあるかとおどろくほど主動的で、つれへのいたわりがゆきとどいて、伸子は楽しかった。実朝のうたの話をしていたとき、伸子はどうした拍子か為朝といいまちがえ、二三度そういってから自分で気がついた。