일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふたつのしょうがつ

二つの正月

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 二つの正月(ふたつのしょうがつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,947자 · 6화면

아오조라 문고

その婆さんの鼻の動く工合までも覚えているような気がするのである、これもはなはだ官能的である。

武雄の温泉宿で泊ったのがちょうど大晦日の晩であった。明日はここから汽車にのって一と息に熊本へ帰るというので、一同元気づいてだいぶ賑やかに騒いだりした。浴場へ行って清澄な温泉に全身を浸し、連日の疲れを休めていると、どやどやと一度に五、六人の若い女がはいって来て、そこに居たわれわれ男性の存在には没交渉に、その華やかな衣裳を脱いで、イヴ以来の装いのままで順次に同じ浴槽の中に入り込んで来た。霊山の雲霧のごとく立昇る湯気の中に、玲瓏玉を溶かせるごとき霊泉の中に紅白の蓮華が一時に咲き満ちたような感じがしたのであった。これは官能的よりむしろエセリアルであった。

翌朝は宿で元日の雑煮をこしらえるのに手まがとれた。汽車の時間が迫ったので、みんな店先で草鞋をはいたところへやっと出来て来たので、上り口に腰かけたまま慌ただしい新春を迎えたのであったが、これも考えてみるとやはり官能的の出来事であった。やっと間に合った汽車の機関車に七五三松飾りのしてあったのが当時の自分には珍しかった。