후리가나로 읽는 일본 고전
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ふたつのしょうがつ
二つの正月
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 二つの正月(ふたつのしょうがつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,947자 · 6화면
明治四十二年の暮には南ドイツからウィーンを見物してヴェニスに泊ったのがちょうどクリスマスであった。クリスマスは旅人を感傷的にする夕だと誰かが云った通りである。薄暗い狭い路地のような町をゾロゾロ歩いている人通りを見ただけでああた。フィレンツェ、ローマを経てナポリに着いたのが、ちょうど大晦日であった。妙に生温かい、晴れるかと思うと大きな低い積雲が海の上から飛んで来てばらばらと潮っぽい驟雨を降らせる天候であった。ホテルのポルチエーが自分を小蔭へ引っぱって行って何かしら談判を始める。晩に面白いタランテラの踊りへ案内するから十時に玄関まで出て来いというらしかった。借りた室の寝台にはこの真冬に白い紗の蚊帳がかかっていた。日本やドイツの誰彼に年賀の絵端書を書きながら罎詰のミュンシナーを飲んでいるうちに眠くなって寝てしまった。
明くれば元旦である。ヴェスヴィオ行きの準備をして玄関へ出ると、昨日のポルチエーが側へ来て人の顔を見つめて顔をゆがめてそうして肩をすぼめて両手の掌をくるりと前に向けてお定まりの身振りをした。
ヴェスヴィオの麓までの馬車には年取った英国人の夫婦と同乗させられた。