일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふたつのじょぶん

二つの

中谷 宇吉郎

中谷 宇吉郎의 二つの(ふたつのじょぶん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 115,903자 · 236화면

아오조라 문고

」

翌日の日曜、「竹崎を訪はんとて出でしも時雨ふりて寒ければ上野広小路の方へ行く 下駄を切らして買換へたり」時雨の日に下駄を切らした先生が、「切通の箪笥屋」の前を通ると、「先日売り払ひし長持」が、まだ「鐶の外れし儘なり」の姿で店頭に置いてあった。思い出はつのるばかりである。先生の生涯の中で、この短い西片町の生活が、唯一の楽しい思い出であったのではないかと思われる。その後三十年、先生の名声は高くなるばかりであったが、「火鉢の上にて夏と指相撲」をする先生は、この時以後はもうなかったようである。

高知へ帰った奥さんは、高知の家にも居らず、近くの海岸の種崎で、唯一人療養の生活をつづけた。それは東京との手紙の往復だけが、唯一の慰めであるような生活であった。それでも五月には無事長女の出産があった。二十六日その電報を受け取られた先生は、日記に左の一句を残された。

幸ありて桃の若葉と照り栄へよ

この長女貞子は、生れて間もなく、母親の手から引き離されて、高知の先生の家で、乳母の乳で育てられることになった。生れて母の慈愛を知らない子であった。十九歳の若い奥さんは、夫に離れ、家人に離れ、みどり児からも引き離されて、ただ一人乳の張りに悩んでいた。