후리가나로 읽는 일본 고전
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しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 二十世紀鉄仮面(しつらくえんさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,489자 · 77화면
「いいかね法水君、これが発見当時その儘の状況なんだぜ。それが判ると、僕が態々君をお招きした理由に合点が往くだろう」
法水は努めて冷静を装ってはいたが、流石心中の動揺は覆い隠せなかった。彼は非度く神経的な手附で屍体を弄り始めた。屍体は既に冷却し完全に強直してはいるが、その形状は宛ら怪奇派の空想画である。大石に背を凭せて、両手に珠数をかけて合掌したまま、沈痛な表情で奥の天人像に向って端座しているのだ。年齢は五十五、六、左眼は失明していて、右眼だけをカッと瞶いている。燈芯のような躯の身長が精々五尺あるかなしかだが、白足袋を履き紫襴の袈裟をつけた所には、流石争われぬ貫録があった。創傷は、顱頂骨と前頭骨の縫合部に孔けられている、円い鏨型の刺傷であって、それが非常なお凸であるために、頭顱の略々円芯に当っていた。創傷の径は約半糎、創底は頭蓋腔中に突入していて、周囲の骨には陥没した骨折もなく、砕片も見当らない。創傷を中心に細い朱線を引いて、蜘蛛糸のような裂罅が縫合部を蜒り走っているが、何れも左右の楔状骨に迄達している。そして、流血が腫起した周囲を塗って火山型に盛り上り凝結している所は、宛ら桜実を載せた氷菓そっくりであるが、それ以外には外傷は勿論血痕一つない。