일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しつらくえんさつじんじけん

二十世紀鉄仮面

小栗 虫太郎

小栗 虫太郎의 二十世紀鉄仮面(しつらくえんさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,489자 · 77화면

아오조라 문고

されど、その間において幹枝の心身には、果して期せるが如く痛ましき変化を来たせり。即ち、螺旋菌の脊髄中に入りしためにして、運動に失調起り下腹部に激烈なる疼痛現われて、幹枝の幻想も苦痛に伴う悲哀の表現に充ち、華鬘萎み羽衣穢れ――とかいう、天人衰焉の様を唱うようになれり。かくなりては、一路植物性の存在に退化するのみにして、治療の途はあれども、余には既に幹枝の必要なきことなれば、余す手段は安死術のみなりというべし。

――されど、自然は余の触手をまたず、幹枝に大腹水症を発せしめたり。六尺余りに肥大せる腹を抱えて、全身は枯痩し、宛然草紙にある餓鬼の姿よりなき幹枝を見れば、ありし日の俤何処ぞやと嘆ずるのほかなく、転変の鉄鎖の冷たさは、夢幻まさに泡影の如しというべし。

――ここにおいて、三月六日切開手術を行い、腹水中に浮游せる膜嚢数十個を取り出せしも、予後の衰弱のため、その日永眠せり。斯くの如く、余は幹枝に天女の一生を描かせ、一年有余の陶酔を貪りたるものなれば、その終焉の様を記憶すべく、坐魚礁研究所を失楽園とは名付けたるものなり――

法水が読み終るのを待って、杏丸医学士は続けた。