후리가나로 읽는 일본 고전
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にせんどうか
二銭銅貨
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 二銭銅貨(にせんどうか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,143자 · 34화면
泥坊の奴、きっと、転売なんかされることを恐れて、前金で支払って置いただろうとは思ったが、若しもまだだったら、少くとも二三十円は入用だからね。生憎我々にはそんな金の持合せがない。ナアニ、何とかごまかせばいいと高を括って出掛けた。――案の定印刷屋は、金のことなんかは一言も云わないで、品物を渡して呉れたよ。――かようにして、まんまと首尾よく五万円を横取りした訳さ。……さてその使途だ。どうだ。何か、考はないかね」
松村が、これ程興奮して、これ程雄弁に喋ったことは珍しい。私はつくづく五万円という金の偉力に驚嘆した。私は其都度形容する煩を避けたが、松村がこの苦心談をしている間の、嬉し相な様というものは、全く見物であった。彼ははしたなく喜ぶ顔を見せまいとして、大いに努力して居った様であるが、努めても、努めても、腹の底から込み上げて来る、何とも云えぬ嬉し相な笑顔は隠すことが出来なかった。
話の間々にニヤリと洩らす、その形容のし様もない、狂気の様な笑いは、私は寧ろ凄いと思った。併し、昔千両の富籤に当って発狂した貧乏人があったという話もあるのだから、松村が五万円に狂喜するのは決して無理ではなかった。