일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ごかいのまど

五階の窓

森下 雨村

森下 雨村의 五階の窓(ごかいのまど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,990자 · 26화면

아오조라 문고

「これでは手がかりどころか、報告にもなりはしない。――署長や主任にいやな顔をされるばかりだ」

空っ風と一緒に吹き上げてくる砂塵に顔をそむけそむけしながら、彼はさっきからいくたびそう心の裡で呟いたことであろう。署を出てから、もう二時間余りにもなる。その間に、どんな新事実が発見され、それによって捜査方針がどう変更されたかも分からない。もし、犯人の目星でもついたなら、一人でも人手が欲しいところだろう。しかし、彼は署へ電話をかけてみる気にも、このまま電車へ飛び乗って引き揚げていく気にもなれなかった。

三宅坂を下りて、参謀本部(旧陸軍の中央統帥機関)の下まで来たとき、彼はふと警視庁にいる小西警部のことを思い出した。警察界にほとんど同時に職を奉じた同僚であるが、掏摸や賭博のほうに明るくて、彼が十余年来、警察署を回らされているのに、ずっと警視庁を動かず、一昨年かに考査試験に通っていまでは強力犯係の警部として敏腕を謳われている男である。その小西にしばらく会わないのと、署へ帰りたくない心とが手伝って、彼は警視庁へ油を売りに寄ってみようと思いついたのである。

もう電車へ乗るほどのことはなかった。