일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ごかいのまど

五階の窓

甲賀 三郎

甲賀 三郎의 五階の窓(ごかいのまど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,373자 · 25화면

아오조라 문고

そして、その間には幼時からの記憶がなんの脈絡もなく消えては現れる。

艶子は青白い顔を歪めたまま、白痴のようにいつまでも一つところを見つめて動かなかった。

*          *          *

艶子は薄幸な少女だった。

彼女は府下(当時は東京府)のある旧家に生まれた。彼女の幼時には一日のうちには歩ききれないと言われるほどの広大な土地が彼女の家に属していた。ところが、彼女の父はいろいろの事業に手を出してはしだいにその土地を失っていった。そうして最後に残った十万坪余りの地所を、銀行へ抵当に入れるについて仲介に立った男に詐欺同様に奪われて、それがために数年間訴訟を起こして貧窮のどん底に落ち艶子の七歳の年に世を去った。それから彼女は貧しいなかを母の手ひとつで寂しく育てられたが、その慈愛深かった母親も彼女の十二の年に死んでしまった。彼女は孤児となったのである。それから現在の家、彼女は小父小母とは呼んでいるが、母の生前、近所にいてなにくれと世話をしてくれた知人関係にすぎない人たちの手に養われた。この情け深い養い親はある会社の集金係をしていて、もとより豊かな人ではなかったが、子供がなかったし、夫婦揃って好人物であったから、艶子は世の孤児のように不幸ではなかった。