후리가나로 읽는 일본 고전
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はくしゃくのかんざし
伯爵の釵
泉 鏡花
泉 鏡花의 伯爵の釵(はくしゃくのかんざし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,403자 · 39화면
が、何、降るものと極れば、雨具の用意をするのは賢い。……加うるに、紫玉が被いだ装束は、貴重なる宝物であるから、驚破と言わばさし掛けて濡らすまいための、鎌倉殿の内意であった。
――さればこそ、このくらい、注意の役に立ったのはあるまい。――
あわれ、身のおき処がなくなって、紫玉の裾が法壇に崩れた時、「状を見ろ。」「や、身を投げろ。」「飛込め。」――わッと群集の騒いだ時、……堪らぬ、と飛上って、紫玉を圧えて、生命を取留めたのもこの下男で、同時に狩衣を剥ぎ、緋の袴の紐を引解いたのも――鎌倉殿のためには敏捷な、忠義な奴で――この下男である。
雨はもとより、風どころか、余の人出に、大池には蜻蛉も飛ばなかった。
十二
時を見、程を計って、紫玉は始め、実は法壇に立って、数万の群集を足許に低き波のごとく見下しつつ、昨日通った坂にさえ蟻の伝うに似て押覆す人数を望みつつ、徐に雪の頤に結んだ紫の纓を解いて、結目を胸に、烏帽子を背に掛けた。
それから伯爵の釵を抜いて、意気込んで一振り振ると、……黒髪の颯と捌けたのが烏帽子の金に裏透いて、さながら金屏風に名誉の絵師の、松風を墨で流したようで、雲も竜もそこから湧くか、と視められた。