일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

宮本 百合子의 伸子(のぶこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 232,543자 · 466화면

아오조라 문고

伸子は、興味にひかれて佃の顔を見た。

「そんな字で、どんなものを書いたんでしょう。記録や何かばかり?」

「いいえ!」

佃は、力強く否定した。

「史詩や物語も沢山あります。――もっとも、ずっと昔、その楔形文字の時代は、王がほかの民族を征服した短い記録のようなものが巖なんかに刻まれたものばかりですが――」

伸子は、話に身が入るにつれ、飾りっけなく、率直に口を利くようになった。

「字がだんだん複雑になり殖えるに従って、種々な物語が書けて来たというわけね。――どんな風な話が多いのでしょう……どんな気質が現れていて? 書いたものに――」

「――さあ」

佃は考えて黙った。そして、どしどし話さないので、少し伸子をもどかしがらせたのちに云った。

「――大体から云って悲観的でしょうね」

「人間を悲観しているの?――それとも時代の境遇を不平に思うの?」

「あの国民は昔から種々な民族にいじめられて来ていますから、政治的に苦しんでいるのが多く原因しているでしょう」

「――――」

伸子は、彼の専門が学術上に持つ価値や、研究のめざしている目的などを訊ねた。比較言語学は面白く彼女に思えた。民族の心理や社会組織、文明の消長と切っても切れない縁のある、活きた綜合的な研究の一分野として興味をそそるものなのであった。