후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅんかん
俊寛
菊池 寛
菊池 寛의 俊寛(しゅんかん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,455자 · 35화면
彼は、いとしい妻の形見を一袋の麦に換えた。そして、それを彼が自分で拓いた土地に、蒔いた。
自分で拓いた土地に、自分の手で蒔いた種の生えるのを見ることは、人間の喜びの中では、いちばん素晴らしいものであることを、俊寛は悟った。ほのかな麦の芽が、磽な地殻からおぞおぞと頭を擡げるのを見たとき、俊寛は嬉し涙に咽んだ。彼は跪いて、目に見えぬ何物かに、心からの感謝を捧げたかった。
鬼界ヶ島にも春はめぐってくる。島の周囲の海が、薄紫に輝きはじめる。そして、全島には、椿の花が一面に咲く。信天翁が、一日一日多くなって、硫黄ヶ岳の中腹などには、雪が降ったように、集っている。
生れて初めての自然生活は、俊寛を見違えるような立派な体格にした。生白かった頬は、褐色に焼けて輝いた。去年、着続けていた僧侶の服は、いろいろのことをするのに不便なので、思い切ってそれを脱ぎ捨て、思い切って皮かつらを身にまとった。生年三十四歳。その壮年の肉体には、原始人らしいすべての活力が現れ出した。彼は、生え伸びた髪を無造作に藁で束ねた。六尺豊かの身体は、鬼のような土人と比べてさえ、一際立ち勝って見えた。