일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きずあとのはいけい

傷痕の背景

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 傷痕の背景(きずあとのはいけい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,022자 · 38화면

아오조라 문고

」

「そんな個人主義は、駄目だ。」

杉本は叫ぶように云って、相手を遮った。そして、小林がまだぬけきらないでいる、トルストイ主義のことに、話を進めていった。――トルストイの豪いのは、隣人愛でも、無抵抗主義でもない。彼の偉大な個性だ。

その個性は、結局、個人主義の行きづまりである。彼は個人として、凡てのものにぶつかっていった。信仰が人を生かすものかどうか、神が正しいものかどうか、そんなことに、個人的批判を下そうとした。人間は如何にあるべきものか。そういう問題を、個人的に解決しようとした。それは、云わば、自然そのものに対する巨人の争闘だ。その争闘に、あくまで突進したところが、彼の偉大な点だ。然し、そんな方法では、愛も、神も、見出せるものではない。益々影が薄らぐばかりだ……。

杉本はいつになく熱心に、自説を主張し続けた。それに、小林は注意深く耳を傾けていた。奇矯にわたる説に出逢っても、驚きもせず、腹も立てず、神妙に聴いているのである。

そしてこの、短く刈りこみ、日焼けの額に老けた筋が通り、善良な眼付と口付……骨格は頑丈だが、栄養が不良らしい肉附の、若いトルストイヤンと、茫漠たる風采の杉本との対話……その傍で、それには一言も口を出さず、強いて理解しようともしないで、英子は、しきりにリリアンを編んでいた。