후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
倉田 百三의 光り合ういのち(ひかりあういのち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,439자 · 263화면
篠竹の杖、五銭位のハンカチ。それでも今日の私たちが歓楽のきぬぎぬに幾十の女人と別れても、その十分の一ほどの感激も生み得ないのである。
一泊五十銭ほどの三良坂の宿の蒲団の中で、私はどれ程の高い、熱い、美しい感情の波を体験していたのであろう。未来に描く雄健の美的精神の夢。ロマンチックな港町への追憶と感謝、一日の奮闘の第一歩の挫折への嘆き、明日の努力への決意――それらは詩にも、音楽にも相応しい第一流の生活体験ではあるまいか。
今日でも自分と、周囲とに純情だにあるならば、いかに物質的に貧しくとも、そうした精神と、感情との尊き波の中に生きられないことは無い筈なのである。
人生のがらくたを引っくり返して立ち現れて来る呪うべき壮年期の乾燥と、汚濁よ! 私たちはもう一度貧しき純情をとり戻して、日々を新しい感激の中に生きねばならないのだ!
三良坂の宿での思いがけぬ仮泊の夢がさめると、若々しい精力はもう完全に恢復していた。私は篠竹のステッキで路ばたの藪をたたきつつ、口笛まじりに、朝霧のこめた馬洗川伝いに一時間も歩くと母校の柵や、いらかがもう見え出した。
もう三年間私のいのちをあの学校に置くのだ。