후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
「可哀そうな久田姫や、お前の恋しがっているお父様は、もうこの世にはおいでなさらぬのだよ。お前はこれからは一生をちょうど陽蔭の花のように寂しく咲かなければならないのだよ。おお可哀そうな久田姫や! そしてお前のお母様は……そしてお前のお母様は……」
そこに立ててある几帳の蔭へ彼女は静かにはいって行った。と、一瞬間「あっ」という声が几帳の蔭から聞こえて来たが、ただ一声聞こえただけで後は寂然と静かになった。
あわただしい足音を響かせて、島太夫が部屋へ飛び込んで来たのはそれから間もなくのことであった。
「お姫様! 柵様!」
と彼は四辺を見廻したが、
「お、これは灯が消えている。それにお休みなされたらしい。……お姫様! お姫様! お起き遊ばさねばなりませぬ! 三点鐘が鳴りました!」
しかしどこからも返辞がない。几帳の蔭はひそやかである。
四
「寝息も聞こえぬとはどうしたことだ。よくよくご熟睡遊ばしたと見える。がどうしてもお起こし申さねばならぬ」彼は几帳へ手を掛けたが、「ごめんくださりませお姫様……あっ! これは! 南無三宝!」
思わず膝をついた一刹那、タッタッタッと階段を登る逞しい足音が聞こえて来たが、闇にもそれと見分けのつく鎧冑に身をよそった一個長身の武士が颯と蝙蝠でも舞い込んだように老人の眼前へ現われ