후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
と、その時人声がした。
「おお猪太郎、よく戻ったな」
ギョッと驚いた葉之助が思わずその眼を見張った時、木像の蔭からスルスルと、白衣長髪の人影が、彼の眼の前へ現われた。まことに神々しい姿である。慈愛に溢れた容貌である。人と云うより神に近い。
その神人はまた云った。
「おお猪太郎、よく戻ったな」
意外の人物の出現に、胆を潰した葉之助はしばらく無言で佇んでいたが、この時にわかに一礼し、
「これはどなたか存じませぬが、お人違いではございませぬかな。私事は高遠の家中、鏡葉之助と申す者、猪太郎ではございませぬ」
「さようさよう只今の名は葉之助殿でござったな。しかしやっぱり猪太郎じゃ。さよう少くも幼名はな」神々しい姿のその人はこう云うと莞爾に微笑んだが、「何んとそうではござらぬかな」
「いえいえそれも違います。私の幼名は右三郎、このように申しましてございます」
「さようさようそんな時代もあった。しかしそれはわずかな間じゃ。しかもそれは仮りの名じゃ。方便に付けた名であったがしかしその事はやがて自然に解るであろう。そうしてそれが解った時から、お前は悲惨な人間となろう。恐ろしい恐ろしい『業』