후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
素姓も知れない山の子とあっては殿の思惑もいかがあろうか、これはいっそ知人に預け、その知人の子供として貰い受けるのがよろしかろう』とな。……その結果として弓之進殿は南条右近殿へ事情を話し、その子供を預けることにした。とこうここまで話して来たらそなたにも見当が付くであろうが、その山の子供こそ、他ならぬ葉之助殿そなたなのだ」
七
この北山の説明は葉之助にとっては驚異であった。彼は疑いもし悲しみもした。しかし結局は北山の言葉を信ぜざるを得なかった。だがそれにしても素姓の知れない彼のような山の子を、慈愛み育てた養父の恩は誠に深いものである。しかるに彼はその養父を非業に死なせてしまったのである。済まない済まない済まないと彼は衷心から後悔した。
「他にお詫びのしようもない。ただ、立派な人物になろう。それが何よりのご恩返しだ」
それからの彼と云うものは、武事に文事に切磋琢磨し、事ごとに他人の眼を驚かせた。
この彼の大勇猛心には、乗ずべき隙もなかったか、黒法師も現われず、「永久安穏はあるまいぞよ」という奇怪な声も聞こえて来なかった。
で、彼の生活はその後平和に流れたのであった。