후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
「……茴香には三種の区別あり、野茴香、大茴香、小茴香、しかして茴香の薬用部は、枝葉に非ずして果実なり。大きさおよそ二分ばかり、緑褐色長円形をなす。一種強烈なる芳香を有し、駆虫、痰、健胃剤となる。また芳香を有するがため、嬌臭及び嬌味薬となる、あるいは種子を酒に浸し、飲用すれば疝気に効あり。茴香精、茴香油、茴香水を採録す」
北山はここで舌打ちをした。
「どうもこれでは仕方がない。だがしかし例の白粉が、茴香剤に相違ないと、前田一学から知らせて来たからには、それに相違はあるまいが、しかしどうも疑わしいな」
腕を組んで考え込んだ。
気がムシャクシャしてならなかった。
で、宿を出て歩くことにした。
他に行くところもなかったので、浅草の方へ足を向けた。
観音堂へ参詣した。
相当夜が深かったので、他に参詣の人もなかった。
七
観音堂の裏手の丘に、十数人の男女がいた。寝そべっているもの、坐っているもの、立っているもの、横になっているもの、雑然として蒐まっていたが、暗い星月夜のことではあり、顔や姿は解らなかった。
「星が流れた」
と誰かが云った。
「ふん、明日も天気だろう」